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送迎業務ヒヤリハット 傾向と対策 【車両管理編(2)】器具の固定緩み

デイサービス等、介護の送迎業務において、具体的にどのようなヒヤリハットが発生しているか? その影響範囲はどこまで及ぶか? 対策をどのように打っていけばよいか?

具体的なサンプルをもとに、紐解いていきます。

送迎車には、様々な器具が後付されています。

  • 乗降補助用の手すり
  • 運転席のマット
  • フロアマット
  • リフトマット
  • ドライブレコーダー
  • リフト操作スイッチ
  • 新型コロナ対策の飛沫防止シート

これらは、毎日利用されて、徐々に緩んでいきます。

その結果、以下のようなヒヤリハットが発生します。

朝の送迎時、私がハイエース2列目の前にある黄色い手すりを掴んだところ、掴みそこねてバランスを崩してしまいました。黄色い手すりが劣化し、破れていたことが原因です。ビニールテープ等で補強します。

運良くスタッフが先に気づきましたが、手すりを掴んだと安心して油断した利用者が転倒事故に至る危険性が高い、重大なヒヤリハットでした。

帰りの送迎の際、車の助手席の上にある手すりの部分が、途中で外れてしまった。

手すりは、すっぽ抜けて外れるもの。そういう認識を念頭に置いておいたが良いでしょう。定期点検で力いっぱい引っ張ってみて、少しでも違和感を感じたら、修理手配を行うのが望ましいです。

●●様を送迎車から降ろす時、フロアマットが外れ転倒しそうになった。

帰りの送迎車準備の際、2号車のフロアマットがめくれており、躓きやすくなっていたため、新しいマジックテープを貼りなおした。

4号車のリフトのフロアマットがめくれ、●●様の車椅子が動きづらかった。

足元に設置されているフロアマットは、常に力を受け続けるため、注意が必要なアイテムです。すり足で移動する利用者にとっては、マットの僅かなめくれも、転倒要因となり得ます。車外に出る時につまずいて転倒したら最悪アスファルトに頭を打ち付けますし、車内の移動においても他の利用者を巻き添えにした障害事故に発展するリスクが有りえます。

マジックテープや両面テープで固定するのも良い現場工夫ですが、これらも徐々に劣化して緩んでいきますので、定期的な確認を行うのが良いでしょう。

運転席のマットが歪んでてブレーキ踏みづらかった。他の席でも、乗り降りの際に足に引っ掛かると危険です。

運転席のマットズレは、通常の自動車利用でもお馴染みのヒヤリハットですね。アクセルやブレーキを踏む感覚が狂う。重大事故に繋がりかねないリスクをはらみます。

車を走行中、取り付けられているドライブレコーダーが落ちてきて驚いた。

両面テープや吸盤などを使って、後付で固定している機器に関しては、外れるリスクがあることを想定しておきましょう。運転中に突然落ちてきてドライバーを一瞬パニック状態にするので、当然ながら大変危険です。

11号車のリフトの部品プラスチックの鋳物破損を確認しました

n-box のリフトを下ろした際に、金具が落ちていた。

詳細は不明ですが、どういう不具合を引き起こすか予測できず、被害範囲が想定できないというのは深刻なリスクです。すぐに専門家に診てもらうべき気づきです。

どのようにすれば事故を防げるでしょうか?

  • 送迎車輌に後付された器具の一覧を、リストにまとめましょう
  • それぞれの器具について、緩んだりズレたりするか、想定してみましょう
  • 実際に緩んだりズレたりしたら、最悪どのような被害が出るか、イメージしてみましょう
  • 緩みやズレについて、定期的にチェックする体制を作りましょう
  • 少しでも普段と違う違和感を感じたら、報告を上げて、施設内で共有しましょう
  • 少しでも不安を覚えたら、車両管理の専門家に相談しましょう

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