16Nov
デイサービス等、介護の送迎業務において、具体的にどのようなヒヤリハットが発生しているか? その影響範囲はどこまで及ぶか? 対策をどのように打っていけばよいか?
具体的なサンプルをもとに、紐解いていきます。
今回は、送迎車を運転中、歩行者や子供が飛び出してくるヒヤリハットを取り上げます。
- 横断歩道が無い道を横断する歩行者
- 信号無視して横断する歩行者
- 交差点ではみ出して待っている歩行者
- 車の影から飛び出してくる歩行者
- 停車中の自動車から飛び出してくる乗客
- 予期せぬ突発行動を取る歩行者・子供
歩行者や子供が飛び出してきた際、どのようなリスクが発生するか? 実際のヒヤリハットを元に、見ていきましょう。
送迎中トラックが停車しており、追い越そうとしたところ横断歩道ではないところから女性の高齢者が飛び出てきそうだった。死界にはなっていたが、周りを見て走行していたため事故にはならなかった。
今日は、祭日のため歩行者が多く自転車で横切る方や道路中央を走られる方がおりヒヤリとしました。
この地点は、横断歩道が無いところですが、横断する歩行者多いです。注意
朝の送迎時、●●団地を走行中、脇道からいきなり人が飛び出してきた。
帰りの送迎時16号を走行中、車の通りがキレた所にランニングの人が横切る。
横断歩道が無い道を横断する歩行者のヒヤリハットです。基本的には「歩行者は至る所から飛び出してくる」と心構えをしておくべきですが、よく歩行者が飛び出してくるポイント抑えておくと、予め注意運転する心構えができて良いですね。歩行者の動線をイメージすると、横断歩道と横断歩道の間隔が大きく空いている道路などは、歩行者がショートカットするのが想像しやすいと思います。
赤信号から青信号になったため発進しようとした際、目の前をゆっくりと歩行者が通過していった。
こちらの信号が青になり直進しようとすると、信号無視の歩行者が堂々と目の前スマホ片手に歩いて行った。
赤信号で信号待ちをしており、青になった為発車したところ、反対側から中学生が飛び出してきた。中学生は下ばかりに気をとられており、自分の方が青信号に変わったと勘違いをしていた。
信号無視の歩行者に関するヒヤリハットです。歩行者信号の点滅終わりで滑り込みを掛けてくる歩行者はまだ良い方で、歩行者信号じゃなくて車側の信号を見て通行しようとする歩行者も多いので注意して下さい。最近は歩車分離式信号機も増えているので、車側も歩行者の動きが完全にストップしているものと油断してしまいます。
信号のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしていたので止まったが、反対車線の車が全然止まらず、暫くお客様を待たせてしまった。
信号の無い横断歩道で歩行者が渡ろうとしていた場合、自動車側が横断歩道手前で停車する義務がありますが、無視されることも多いですね。近年では警察もこの種の交通違反の取締を強化している状況もありますので、時間に追われていてもしっかり停車して譲るようにしましょう。
車両走行中に反対車線の隙間から歩行者が飛び出してくる。徐行していたため回避できた。
帰りの送迎の際に路駐されている車の脇を通ったところ、車の陰から人が道路に出てきそうになった。急ブレーキを踏んでしまった。
送迎時、反対車線の車が混んで止まっており、車と車の間から、子どもが飛び出してきた。かなり焦った。
車の影から飛び出してくるのは超定番で、歩行者側も直前まで視界が遮られた状態で渡る形になるので、お互い気づき辛く事故リスクが高いです。視認して気付くのは正直難易度が高いので、人が飛び出してきそうな状況予測をして、危険度が高いと判断したら車の速度を緩めた上でいつでもブレーキが踏めるように足をブレーキペダルに置いておく形が良いと思います。
対向に宅配便車が停車中で、そこを通り過ぎようとしたところ、玄関先のところから急に人がでてきて、危なかった。
朝の送迎時、ゴミ収集車の職員が反対側の道路に飛び出してきた。
停車中のバスの横を通過の際に、バスの陰から降車した老人の飛び出しあり。
宅配便やゴミ収集車や引越しトラックなど、業務車からは仕事中の作業員が頻繁に乗り降りして道に飛び出してきます。ひと一人分の余裕は持たせた幅を取って大きく回避するべきです。道路幅に余裕が無い場合は、徐行で通り過ぎましょう。また、バスに関しても乗客の飛び出しが頻繁に発生しますので、要注意して下さい。特に、スクールバスは最優先で注意しましょう。
朝の送迎時真っ直ぐな道を走行していたところ、急に左側を歩いていた女性が、横断歩道の横を通りかかったさいに、勢いよく直角に曲がり横断歩道を渡りだした。真っ直ぐに歩くかと思っていため、急な行動に驚いた。
居宅回り時に強風のため、歩道で帽子を被っていた女性の帽子が車道に飛んでくる。女性があわてて帽子を取りに来る。帽子が飛ぶ瞬間を確認できていた為、終わるまで車を止めて対応した。
犬の散歩をされていた男性が急にふらつき車の前に飛び出しそうになりました。
走行中に左を歩いている人が、急に車道に入ってきた。
小学生が信号のある横断歩道の前でしゃべっており、横断歩道を渡らないかと思ったら、話が終わった後に急に飛び出してきた。
歩行者が、予期せぬ突発的行動をとった状況のヒヤリハットです。正直なところ、個別のパターンを学習してもきりが無いので、観察力を磨いていくしか無い事例です。道幅にもよりますが、可能な限り歩行者とは距離を開けるように車を運転するのが良いでしょう。
帰りの送迎時、●●様のお宅の近くの一歳くらいの子供が道路に飛び出してきた。兄弟も何人か一緒に遊んでいた。
夕方、センターから出発する際、わき道からスケボーに乗った子どもが飛び出して来た。少し時間がずれていたら、引いてた可能性がある。
走行中、子供が道路から車道に追いかけっこして出てきた。
朝の送迎で、小学校の集団が横断歩道を渡り終えて、道路脇に並んでいたとき、子供たちがふざけて道路の方に体が飛び出して来たのでビックリしました。スピードが出ていたらと思うと怖かった。
住宅街の道路で小さな子供が走りまわっていた。突き当たりでUターンしようとしたが、車が停まっていて出来ずにバックしたところ近くにいた女の人が危ないと言った。子供が車のほうに走ってきていた。
特に子供に関しては、周りを見ないで突飛な行動を取ることが多いので、全てを予測して運転するのは不可能なほどです。歩行中の子供がどこを見て歩いてるか、視線を分析した調査などでは、子供は交差点で自分の進む方向しか見ていない、といった傾向が示されています。子供がどれだけ危険な行動をとっていても、子供を轢いてしまったら自動車側が100%悪いので、住宅街でスピードを出さないのと、子供を視認したら注意を払いつつ側を通る際には徐行するよう、安全運転を心がけて下さい。
夏休みに入って、子供が道路飛びだしてくるので、注意するようにする。
冬休みということもあり、自転車に乗った小学生があちこちで見ました。広がっていたりと危険な子も見られました。
住宅街を走行中に、キックボードに乗った子供が坂道をすごいスピードで降りてきた。一時停止のところですれ違う感じになり危なかった。夏休み中なので子供には気をつけないといけないと思う。
季節性要因で発生するヒヤリハットについては、発生時期を予め把握しておくと、心構えが持ちやすいと思います。逆に、いつもは歩行者が少なくてスムーズに通れる道だと思い込みすぎて油断すると、焦りの元になることもあるでしょう。
左折時、横断歩道を歩行している方が視角に入り見にくかった。
交差点を左折しようとしたところ左折側の歩道から人がはみ出していて危険だった。
横断歩道のある交差点で集団高校生が、道路に飛び出して信号待ちをしている。
交差点を右に曲がる時に、対向車がライトで合図して先に曲がっていいよというサインを出してきたので、右に曲がろうとすると、歩道からランニングの人が飛び出てきた。
交差点での右左折時、歩行者との接触に関するヒヤリハットです。左折時は、後続のすり抜け自転車やバイクの巻き込み確認に気を取られ過ぎて、その先の横断歩道に居る歩行者への注意が薄くなってしまうことがあります。注視すべき人や車が多い場合、頭の中の処理がパンクしないように、いつもよりゆっくり回るようにするのも良いでしょう。
どのようにすれば事故を防げるでしょうか?
- よく歩行者が飛び出してくるポイント抑えておきましょう
- 歩行者信号の点滅終わりで滑り込みを掛けてくる歩行者を想定しましょう
- 信号の無い横断歩道で歩行者が渡ろうとしてる場合はしっかり停車して譲りましょう
- 人が飛び出してきそうな状況予測をして、危険度が高いと判断したら車の速度を緩めた上でいつでもブレーキが踏めるようにしておきましょう
- 停車中の業務車の側を通りるときは、余裕を取って大きく回避しましょう
- 停車中のバスや送迎車の側を通る際は徐行しましょう
- 可能な限り歩行者とは距離を開けるように車を運転しましょう
- 住宅街でスピードを出さないようにしましょう
- 季節性要因で発生するヒヤリハットのパターンを予め抑えておきましょう
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