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送迎業務ヒヤリハット 傾向と対策 【走行中不備編(7)】他車の追い抜き・追い越し・急停車・その他

  • 2021
  • 送迎業務ヒヤリハット 傾向と対策 【走行中不備編(7)】他車の追い抜き・追い越し・急停車・その他 はコメントを受け付けていません

デイサービス等、介護の送迎業務において、具体的にどのようなヒヤリハットが発生しているか? その影響範囲はどこまで及ぶか? 対策をどのように打っていけばよいか?

具体的なサンプルをもとに、紐解いていきます。

今回は、送迎車を運転中、他車から追い越されたり、急停車されたりする際のヒヤリハットを取り上げます。

  • 後続車の危険な追い越し
  • 後続車の危険な追い抜き
  • 後続車からの煽り
  • 先行車の急停車
  • 交通誘導員の間違った通行指示
  • 雨の日に飛ばされる水
  • 夜間に無灯火の車
  • 夜間にハイビームの対向車
  • センター駐車場内の出入り

危険な追い越し

法廷速度で走っていたが、追い越し車線のない道で追いこされた。

走行中、左側より原付バイクが追い越してきた。距離を開けていたため接触はないが、運転時後方の確認も行っていく。

左側のドラッグストアに入る車が一時停止したため、右側から避けてまっすぐ進もうとしたら、後方の車がさらに右側から追い越しをかけてきた。

朝の送迎時、堤防を走行中、反対斜線の車が追い越し逆送してきて、ヒヤッとしました。

危険な追い越しに関するインシデントです。後ろから猛スピードで追い越しを掛けようと迫ってくる後続車については、トラブルの塊みたいなものなので、変に牽制を行ったりして刺激せず、とにかく安全に追い越させるように配慮してあげるのが一番です。相手が自車の行動を予測しやすいように、急加速や急減速をせず、定速直進走行を意識してさっさと抜かせましょう。狭い道では、左ウインカーを出して脇にゆっくり停車して通すのも手です。逆に、停車中の車や遅い車をこちらが追い越す場合には、せっかちな後方車が不審な動きをしていないか、十分に確認の上で追い越し動作に移って下さい。

車線変更しようとウィンカーを出していたが、後ろから追い抜かれた。

走行中、左から車が車線変更しようとして、送迎車にぶつかりそうになった。

センターに戻る途中、横から大型トラックが強引に割り込んで来ました。

走行中、交差点を直進したところ、左折専用車線から車が直進してきて接触しそうになった。

危険な追い抜きに関するインシデントです。車線変更をする際は、後方の安全確認をした上で、ウインカーを3秒以上出してから移動するのが基本ですが、ウインカーを出さずに車線変更する車も多いですね。隙間を縫うように左右に車線変更する落ち着かない車などは目立つと思いますので、見かけたら注意して、なるべく近寄らないようにしましょう。大型車については、後方の死角がかなり広いため、後続車に気が付かずに車線変更してくるパターンが多いです。大型車の死角ゾーンを把握して、その範囲の空間になるべく入らない運転をしてみて下さい。車線と車線の間を高速で駆け抜けるバイクは、サイドミラーやルームミラーだと小さくて見落としやすいので、注意が必要です。

時速30キロ制限道路を、30キロで走行してたら、後ろからクラクションを鳴らされた。

私の車の前を走る車がノロノロ運転でしたが、細道でもあり抜かせないのでその車の後ろを私もゆっくりと運転していましたが、黒の軽自動車が後ろに来て、少しあおられました。

朝の送迎中に後続の車が煽り運転をしてきてビックリしてしまう。車線を変えて追い越してもらった。

後続車からの煽り運転については、気にしないようにするのが良いでしょう。後続車の動向を見るために後ろに注意を取られ過ぎると、肝心の前方への注意が薄れて、自分責任の重大事故を引き起こしかねません。安全に追い抜かせる余地があれば、サイドウインカーやハザードランプを点けて左に寄せて、先に行かせましょう。また、度を過ぎた煽り運転に関しては、その場で110番通報して警察を呼ぶという手もあります。ドライブレコーダーを前後に搭載して、ドラレコ撮影中のシールを車の後方に貼るのも有効な煽り軽減策なので、検討してみて下さい。

走行時、前を走るトラックが急停止、距離をおいていたので事なきを得る。

前の車が急ブレーキをかけられ、急ブレーキをかけました。

道路を走行中、目の前の車が急ブレーキを踏むことがあり。車間距離をとっていた為衝突せずにすむ。

送迎車で急ブレーキは、車内の乗員に強い負担が掛かるため、基本厳禁です。特に車椅子の方には強い衝撃と恐怖を与えますし、認知症の方がシートベルトを外してしまっていることもあります。前車との車間は、常に広めに取るように心がけて下さい。

朝の送迎時、信号無視の車がいた。その交差点は、信号無視の車が多い。

前の車に続いて右折したら、対向車が信号無視で直進してきた。

朝の送迎で直進が青信号だったので走行していたら、左から車が走ってきてびっくりした。

対向車が、減速しないまま、点滅信号無視で曲がってきた。

T地路の交差点を、青信号なので右折しようとしたら、赤信号の車が信号無視で曲がってきました。危うくぶつかりそうでした。

周囲の車が信号を無視するかもしれない運転は、常に心がけましょう。特に、黄色の点滅信号での注意運転と、赤色の点滅信号での一時停止は、無視されることが多いです。見通しが良くて交通量の少ない交差点も、へたに安全確認がしやすい分、慣れた地元ドライバーが確信犯的に信号無視することがありますね。「伊予の早曲がり」「茨城ダッシュ」「松本走り」「山梨ルール」「播磨道交法」といった、青信号切り替わり直後のフライング右折を是とするルール意識を持っている車も無数に居るので、当該地域では特に念頭に置いておいて下さい。信号無視が特に多い交差点については、センター内で共有するのも安全対策として有効と思います。

側道に寄った車がハザードも出さずに止まったため、追い越すか迷っていると、後ろから追い抜かされ接触しそうになった。

反対車線にハザードつけた車がとまっていて、優先なので直線で進もうとしたところ、対向車が反対車線に進んできて、クラクションを鳴らしてきてヒヤッとしました。

ハザードを出して路肩に停車していた車が、ハザードのまま走り出す再度止まったため、追い越しして信号で待っていると、またもやハザードをつけたまま横を走り去っていき、動いたり停車したりを繰り返していた。

ハザードを点けている車が道端に止まっている場合、ついそのまま無意識的に避けて進もうとしてしまいますが、事故などでこの先の道が危険なことを示してる場合もあるので、周囲の状況を把握して安全確認をすることを怠らないようにしたほうが良いです。道路上に人や物が倒れてるかもしれませんし、対向車線から車やバイクや自転車が飛び出してくるかもしれません。

対向車がウインカーを出さずに右折した。

左側より、ウインカーを出していない車が侵入しようとしていた。

隣の車線を走っていたダンプが、方向指示器を出さずに、こちらの車線に入ってきた。

送迎時、大通りに出るために左折待ちをしていたら、右から左ウインカーを出しながら直進してくる車がいた。曲がってくるのかと思ったらそのまま直進していった。ドライバーは電話で話しながら運転していた。念のため動かずに待っていたが、曲がると思って車を出してしまう場合もあるので気をつけなければと思った。

「岡山ルール」「名古屋走り」など、ウインカーを出すことを好まない考えのドライバーが居ます。こちらからすると困った限りですが、注意して、衝突しないようにするしかありません。また、特にバイクで顕著ですが、逆にウインカーを出したあと消し忘れたまま走行していることがあります。バイクはハンドルを戻してもウインカーが自動で止まらないのと、ウインカーのカチカチ音が鳴らない機種が多くて、操縦してるライダーが消し忘れに気づかないためです。ウインカーを出してる車やバイクが直近で右左折するであろう想定のもとに自車の進路を決めると、思わぬ衝突事故に繋がる恐れがありますので、他車のウインカーの意思表示を信じすぎないようにもしましょう。

道の片側を塞いで片側交互通行になっている工事現場で、交通誘導員が通って良いと合図を出していたが、対向車が普通に来ていたので動かずに止まった。

工事現場やショッピングセンターの入り口などで、民間の交通誘導員が指示を出してくることがありますが、もしその交通誘導員が誤って指示を出した結果事故が発生した場合、事故の責任は指示に従ったドライバーが負うことになります。闇雲に従うのではなく、自分自身でも状況確認と安全判断をして、車を動かすようにしたほうが良いでしょう。

用水路沿いの交差点で、左からのバイクの接近に気づかず、添方の声かけで、何とか停止しました。

交差点にて、右折する車高の高い車の後から、オートバイが直進してきた。今回は軽トラだったので見えましたが、場合によってはヒヤリとすることがあるかもしれません。

一時停止で止まり、他車が通り過ぎたので発進しようとしたら、車の後ろにバイクが隠れており、ヒヤッとしました。

走行中、左側より原付バイクが追い越してきた。距離を開けていたため接触はないが、運転時後方の確認もおこなっていく。

右車線から左車線に入ろうとウィンカーを出したところ、後ろからバイクが真ん中を走行してきていた。

信号が青になったので、発車しようとした際に、小型バイクが右側横をすり抜けるように通過した。

バイク関連のインシデントです。幅の小さなバイクは、車とは違う挙動を示すことが多いです。こちらが車線変更しようと横移動したタイミングで後方からすり抜けてくるバイクと、交差点で対向の右左折車の影に隠れて飛び出して直進してくるバイクには、特に気をつけて下さい。事故事例が多いです。

お送り時、雨が降っており対向車のライトで歩行者が見にくかった。

水溜まりがある所で、対向車の水がどばっとフロントガラスに来て怖かったです。

大雨が降り、対向車が水しぶきを飛ばして来て視界が悪かった。

帰りの送迎時、靄が発生し、細い山道での対向車とのすれ違いに注意。低速走行と周囲確認で対応。

●●様のご自宅前、雨天時水溜まりが出来ており注意。狭い道で同業の対向車が来ていて、気持ちが焦ってしまう。

雨の日は、雨粒や霧やワイパーで視界が悪くなり、路面が滑りやすくなるので、晴れの日よりも注意が必要です。時間に追われて焦る運転をしない環境作りが、なによりの安全対策になると思います。

送迎中、スピード出してくる車や、暗いのにライトを点灯しない車があり、危なかったです。利用者様が乗車していなかったので、ホッとしました!

無灯火の対向車があり。右折する際、危険を感じた。

後方から走ってきた車が、無灯で走行している。夜間で辺りは暗く、照明で道は照らされているので見えない状態ではないが、中央分離帯に接触しそうな走行だった。

●●団地で、無灯火の車が走行していて危なかった。

走行中、対向車のハイビームに一緒に目がくらんだ。

夜間は、無灯火やスモールライトのみで走っている車に注意です。片側だけライトを切らしている四輪車を、バイクと見間違えることもあります。逆に、ハイビームの車に目をくらまされる状況もあり、ハイビーム車に続いてその後ろから無灯火車が来るコンボも想定しておかなくてはなりません。

センターから、道に出るときに左右確認しようと前に出ると右側から車が来てヒヤリとした。ミラーがあると助かります。

センターを出る時、隣の車と一緒に出発になり、ぶつかりそうになった。

センターからハイエース車が出る際、停止中の車の後ろから追い越し車が出てきた。

センターから車を出すシーンでのヒヤリハットです。センターの駐車場内での、僚車との接触ヒヤリは意外と数が多いです。毎日の慣れで油断しがちなポイントなので、駐車場内での移動ルールと、ドライバー同士の意思疎通のためのサインなどを検討してみて下さい。センターから道に出る際、歩行者や車の交通量が多いのであれば、ミラーを設置して死角を無くしたり、センサー式回転灯を設置して送迎車の出発を他車にアピールできるようにしたりといった、設備の設置検討なども良いのでは無いでしょうか?

どのようにすれば事故を防げるでしょうか?

  • 他車と衝突する状況予測をして、危険度が高いと判断したら車の速度を緩めた上でいつでもブレーキが踏めるようにしておきましょう
  • 他車に追い越し/追い抜きをされる場合は、相手が自車の行動を予測しやすいように、急加速や急減速をせず、定速直進走行を意識して安全に抜かせましょう
  • 車線変更をする際は、後方の安全確認をした上で、ウインカーを3秒以上出してから移動しましょう
  • ウインカーを出さない車や、信号無視する車が居る、かもしれない運転を心がけましょう
  • ウインカーを出した方向に曲がらない車が居る、かもしれない運転を心がけましょう
  • 車線の間を高速で駆け抜けるバイクに注意しましょう
  • 後続車の動向に注意を取られ過ぎて、前方安全確認が疎かにならないように注意しましょう
  • 信号無視が多い交差点については、センター内で情報共有しましょう
  • 交通誘導員の指示に闇雲に従うのではなく、自分自身でも状況確認と安全判断をして運転しましょう
  • 雨の日は、雨粒や霧やワイパーで視界が悪くなり、路面が滑りやすくなるので、運転速度を落として安全確認を厳重に行いましょう
  • センターの駐車場内での、移動ルールと、ドライバー同士の意思疎通のためのサインなどを定めましょう
  • センター駐車場出入口に、ミラーやセンサー式回転灯などの安全設備を設置しましょう


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