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送迎業務ヒヤリハット 傾向と対策 【送迎情報管理不備編(1)】送迎計画の、情報抜け漏れ

  • 2020
  • 送迎業務ヒヤリハット 傾向と対策 【送迎情報管理不備編(1)】送迎計画の、情報抜け漏れ はコメントを受け付けていません

デイサービス等、介護の送迎業務において、具体的にどのようなヒヤリハットが発生しているか? その影響範囲はどこまで及ぶか? 対策をどのように打っていけばよいか?

具体的なサンプルをもとに、紐解いていきます。

送迎業務のヒヤリハットが発生する根本的な原因として、送迎計画を立てた時点で破綻しているというパターンがあります。送迎運転を担当するドライバーには、その日ごとに、送迎訪問する利用者の一覧リストを渡しますが、このリストの時点ですでに情報に誤りがある状況ですね。

送迎を担当するドライバーや、送迎補助を行う添乗スタッフがどれだけ効率的に業務を遂行しても、送迎計画が物理的に無理なものであれば時間内に終えることはできず、時間に追われたドライバー&添乗スタッフを焦りに追い込んでしまうでしょう。

  • 送迎予定の利用者の名前が、送迎名簿から抜けている。
  • お休み連絡を貰った利用者の名前が、送迎名簿に残ったままになっている。
  • 家族送迎予定の利用者の名前が、送迎名簿にも含まれている。
  • 車に乗せられない人数が、送迎名簿に書かれている。
  • 車に乗せられない量の器具が、送迎名簿に書かれている(軽自動車に車椅子の利用者を2名、など)
  • 同一利用者の名前が、複数の送迎車の送迎名簿に重複記載されている。
  • 同一スタッフの名前が、複数の送迎車の担当として重複記載さている。
  • 車種NG指定がされている利用者の名前が、まさにNG指定された車種の送迎名簿に入っている。
  • 当日お休みのスタッフの名前が、送迎名簿に担当者として割り当てられている。
  • 当日遅番のスタッフの名前が、送迎名簿に担当者として割り振られている。

これら、送迎計画の情報抜け漏れが発生したとき、業務にどのような影響がでてくるか? 実際のヒヤリハットを元に、見ていきましょう。

送迎を組んでいる際に、●●様が朝、家族送迎であることに気付かずに、他スタッフからの指摘により、気づいた。

次の日の送迎表に、同じ名前のお客様名が2つあり、人数も1人多かった。名前の消し忘れと思われるが、合計人数なども再度確認が必要です。

朝の送迎時、前日に配車を変更した際、原紙のみ変更し、チェック表の用紙には変更記入をしていなかったため、ドライバーが気づかずに変更前の送迎対応をしてしまった。

●●様送迎漏れ。スケジュール表(紙)の名前が消えており、確認したところ一つ上の■■様との名前の消し間違いだった模様。

帰りの送迎座席表に名字しか書いてておらず、同じ名字の利用者様を間違えて乗せてしまうところだった。

軽自動車に、車椅子の利用者が2名の乗り合わせとなっていた。1名は別便で送迎した。

ハイエース車に車椅子お客様が3人組んでしまった。他の送迎車にヘルプお願いした。

送迎計画に基づいて送迎予定表を作成する際、ちょっとした見落としでミスになることは定番です。

IT化で、送迎計画を作成してくれるソフトを導入すると、作業の効率化と共にケアレスミスも防ぐことができます。同一利用者の二重登録などは、確実に防止できますね。ただ、ソフト側でできるチェックにも限界があります。利用者の名前を間違って操作した場合などは、ソフト側では操作間違いしたという判断は困難ですね。

いくつかの書類を出す場合、書類間での情報不整合が発生する場合もあります。

一人の作業ではどうしてもミスが発生しますので、複合的な観点からチェックする体制を構築できると良いでしょう。ただ、単純に複数人で書類だけを見てチェックするのは、二人でのダブルチェック体制までに留めておいて下さい。ダブルチェック体制でなお見落としが発生したからといって、安直に一人増やしてトリプルチェック体制にすると、ミスの発見率が逆に下がることが分かっています。「他の二人がチェックしてくれるから自分は適当にチェックしても大丈夫だろう」という甘えの心理が無意識的に発生するのかもしれません。

チェック体制の強化をしたい場合は、多角的な視野でチェックする体制が作れると望ましいです。スタッフが作った送迎計画を生活相談員の立場でチェックすると、この利用者はいつも家族送迎なのにおかしい、という観点からの気付きが得られるかもしれません。ナースの立場でチェックするとまた別の観点での気付きが得られるでしょう。

■■様を迎えに行こうとした途中、●●様が家の前で立っていたのを見かけた。本日の送迎表には載っていなかったが、もしかしたらと思い●●様のご自宅によって話を聞いてみたら、今日は利用するとのことだったので、送迎車に乗ってセンターにお連れした。

●●様、朝の送迎が遅れ、ご家族からセンターに電話がかかってしまった。

最終的には、利用者本人または送り出す家族にも、送迎予定通知がスマホに都度届くような仕組みなどがあると良いかもしれませんね。

ちょっと話が膨らみますが、Uber のようなサービスだと、自分が頼んだタクシーが今どこを走ってこちらに向かっているかが、手元のスマホでリアルタイムで把握できるので、待ってる方も安心して待つことができたりします。

送迎表には通常通り入っていたが、直前にて、提供表で欠席の連絡があったことに気づく

前日または当日に利用者側からの連絡で送迎キャンセルになった場合、送迎計画への反映が抜けてしまうことは、よくあることです。

送迎ドライバーに渡す送迎訪問先リストは、前日中に情報を取りまとめて印刷する運用が多いと思いますが、印刷した後で変更が発生した場合は手書きで修正することになり、ミスが発生する余地となります。

この書類はいつ作って印刷したか?という意識を持って置くのは大事です。

お休みの連絡をいただいたが、別の利用者と間違えて受け付けてしまい、送迎漏れになった。家族送迎での対応になった。

●●様、昨日お休みの連絡が入っていたが、ホワイトボードに貼られていた送迎表の名前が消えておらず、誤って迎えに行ってしまったとスタッフより報告あり。お休みの連絡をうけた際は、必ず予定表とホワイトボード(送迎表)も処理する。

利用者との連絡は電話にて口頭でやりとりすることも多いですね。できれば電子メールやメッセンジャーなど記録の残るやりとりに移行すると望ましいですが、中々難しいでしょうから、電話口での復唱確認と電話対応メモの記入徹底を習慣付けたいところです。

お客様の休みをドライバーに伝えようとしたが電話が繋がらなかった

そして大抵のトラブルは、電話連絡でフォローすることができますが、送迎スタッフが携帯電話を忘れたり電池切れになったりするとフォローもままならなくなりますので、連絡手段の確保は常に意識して下さい。

休みのスタッフが送迎表に入っており、時間指定のお客様の家族から送迎が来ないと電話があった

朝の送迎時間にお客様からの電話で車が向かってないことが発覚した。同じスタッフの名前が二台についており、ドライバーがいなかった為、二便の分散で対応した。ヘルパー対応の方だったので、ヘルパーの方には先に帰っていただき、居室まで対応した。

シフトより早い時間の送迎が設定されていた。たまたまそのスタッフが早く出勤していたため、間に合った。必ず確認をし、スタッフへの連絡を徹底していきたい

朝の送迎時に自分が乗る送迎車を間違えて、他のスタッフ担当の送迎車に乗って出発してしまいました。

送迎スタッフの不在やダブルブッキングのインシデントも、頻繁に発生しています。

スタッフ側も、急な休みになったりシフト変更が入ったりして、事前の予定との齟齬が発生することが多々あります。管理者が都度チェックするのはもちろんですが、スタッフ間での情報共有や、スタッフ自身が自分の担当範囲を念入りにチェックすることで、ケアレスミス防止になるでしょう。

どのようにすれば事故を防げるでしょうか?

  • 作成した送迎表は、多角的な視野でチェックする体制を作りましょう
  • 「その書類はいつ作られたか?」書類作成タイミングを分かりやすくしましょう
  • 当日キャンセル連絡などの、急な変更連絡が入ったときの運用フローを固めて、各スタッフに周知しましょう
  • 計画齟齬をチェックしてくれるITソフト・ツールなどの導入を検討しましょう
  • スタッフ間の連絡は常に取れるような機材の準備をしておきましょう
  • 利用者本人や家族にもこまめに情報共有連絡をしましょう
  • 少しでも普段と違う違和感を感じたら、報告を上げて、施設内で共有しましょう

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